パリでもっとも予約のとれないビストロ

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毎年ビストロ・ダ・アンジュで一緒にイベントをしている、パトリックテリアンシェフの来日時に「パリでおすすめのビストロを教えてください。」とお願いしたところ、いくつかあげていただいた中のひとつがこのお店「Le Comptoir」

14区で一世を風靡したビストロ「レガラッド」のシェフ、イヴ・カンドボルド氏がサンジェルマン・デプレ界隈でオープンしたビストロです。
人気店とは聞いていたのでまずは日本から電話を1本。
「4ヶ月後まで一杯です」
またまたあっさり断られてしまいました。
お昼は予約を受け付けていないとのこと。ならば早く行けば入れるかも、とランチに照準を合わせます。

パリのビストロはほとんどが12時オープン。でも込み合ってくるのは1時以降。それも踏まえて早い時間を狙って訪問。
オープン20分前に最寄駅に到着しました。
オデオン駅からすぐのこのお店はすぐに見つかりました。だんだん近づいてくるにつれまたまた驚きの光景が・・・。
まだオープン20分前なのに行列が出来ていました。
急いでその行列の後に続きます。

そして12時になりいよいよオープン!何とかテラス席ですが座ることが出来ました。
当然のごとくオープンするやいなやテラス席も含め満席となります。
メニューを見ると高級食材はありませんが、何か一ひねりありそうなメニューばかりです。

だいぶ悩んだあとオーダーするとギャルソンが「トレビアン!」
そうそう、パリのビストロはこれがないと。


前菜には「ポトフーのジュレを薄切りにして」
ポトフーのジュレ?薄切り?と思いながらオーダー。
ワインはトゥーレーヌの赤をグラスでいただきました。
「ボナペティ」のギャルソンの声と共に前菜到着。
百聞は一見に如かず。とはこのこと、なるほど、左の写真の通りです。
手前はアーティチョークのピュレ、左はレフォールのピュレ。
これが絶品!
こんなに軽くてこんなに味わいがある料理にはなかなか出会えません。
添えてある2種のピュレをつけて食べるとまたそれぞれに味わいがあって・・・。
なるほど、行列が出来るのもうなずけます。

その時、ふと顔を上げるとサーヴィスをしていたおばちゃんと目が合いました。
すーっとこちらへ歩いてきてキスされるかと思うほど顔を近づけてくると、急に満面の笑みで「サヴァ?」
と一言。たじろぎながらもこちらも笑顔で「トレボン」と返します。
本当に帰国しても思い出すくらい印象に残った一皿でした。

メインは「豚足のブレゼ 骨を抜いてロースト」

日本語に直すと妙なメニュー名になりますが、ご辛抱下さい。
これまた旨い!カリッとした表面と中の柔らかい豚足。そして一緒に包み込まれたポロ葱の甘さが絶妙!
大満足です。

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デザートもしっかりいただきます。
「リュバーブのパンナコッタ」
「キャラメルのアイスクリーム ゲランドの塩と共に」
「オレンジのサラダ オレンジの花の水の香り」
など気になるメニュー名が並びます。
最終的にデザートは「チョコレートのアイスクリーム バスク地方の唐辛子風味」をチョイス。
これが結構辛い。確かにデザートに唐辛子を使うこともあるけれどここまで辛くすることはまれです。
口の中が冷たいようで熱いようで不思議な感じです。気付けば全部食べてしまってました。
食後はさっぱりと心地よい。

フランスに来ると量が多くてだとか、バターやクリームがもたれるなんてことは良くあるんですが、ここの料理に関してはそんな心配御無用!不思議と食べれてしまうんです。
提供されている料理のベースはクラシックな料理。しかしそれがこの店の魔法にかかると最新の料理でありながら創作料理とはまったく異次元の抜群の安定感を持つ料理になってしまいます。
やっぱり、フランス人を行列に並ばせてしまう料理には虜になる秘訣が隠れています。
秘訣はしっかり盗んで帰りますね。
ごちそうさま。

店を出るころになっても行列は続きます・・・。

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