久しぶりに再会したスパイスの魔術師

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今日は学生で賑わうカルチェラタン地区にやってきました。
その目的はワインビストロ「Le Pre Verre」を訪問すること。
先日の「Le Comptoir」と同じく、パリで最も忙しいビストロのひとつと言われているお店です。

実はこのお店のシェフ、フィリップ・ドラクルセール氏とは以前一緒に仕事をしたことがあります。
今からさかのぼること6年、ちょうどビストロ・ダ・アンジュが30周年を迎えた年です。
すでにスパイス使いの名人としてフランス料理界で注目を集めていたドラクルセール氏でしたが、アンジュの30周年イベントに特別料理を用意して腕を振るってくれました。
憶えておられるお客様もいらっしゃるかと思います。
あのころはまだシェフもお店を出す前でした。

あれから数年、こちらが気にしていなくてもパリに「Pre Verre」という大人気のワインビストロがあるという噂は耳に入ってくるようになりました。
早く訪れたいなぁと以前から思っていたのですがようやく実現。

スケジュールの都合上ランチでの訪問ですが、しっかり満喫してきたいと思います。


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店内の雰囲気はとってもカジュアル、堅苦しさなど微塵もなく気軽に入れます。
「前菜+メイン+グラスワイン」というお得なランチのセットがあるのもこのお店の魅力のひとつ。
ユーロ高など諸々の影響でパリに行くと何でも「高いなぁ?」と思える現在に、財布にも嬉しいビストロです。

本日の前菜は「揚げ茄子のフェタチーズマリネ パプリカ風味」です。
料理は非常にシンプルに素材を組み合わせたものなのですが、その組み合わせが絶妙!
揚げ茄子とフェタチーズという特別な食材ではないのですが、くるみオイルがかかってシェフの手が加わっただけで極上の1品になっています。
もちろんワインとの相性も二重マル!

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メインは「牛肉のポトフー アイオリソースといろいろスパイスの香り」
ごろごろ大きな野菜の上に牛肉ポトフー、その上にニンニクとサフランの香るアイオリソースがのっています。
さらにそのソースにはいろいろなスパイスが・・・。クミン・コリアンダーetc
ひと口運ぶたび、違う香りが広がって、これは見た目以上に楽しい一皿。
さすが「スパイスの魔術師」の異名をとるシェフだけのことはあります。

もちろん食事もワインも大満足なのですが、せっかくパリまで来たのだから、とデザートもオーダー。
「ドライフルーツの赤ワインコンポート マンディアン仕立て カレー風味のアイスクリーム添え」
ちなみに「マンディアン」とはフランスの北東部、ドイツとの国境近いアルザス地方の家庭菓子の名で
残ったパンやクグロフをドライフルーツと一緒に牛乳に浸して卵を加えて焼いたもので、パンプリンの
ようなものです。マンディアンは「物乞い」の意。
そのマンディアンをお店のデザートに仕立てたもの。どんな風に出てくるんでしょう?カレー風味のアイスクリームも
気になります。
実際のデザートは赤ワインコンポートのスープ上になっています。正直なところ、ドライいちじく、プラムだけを食べると甘すぎるように感じるのですが、そこで活躍するのがカレー風味のアイスクリーム。一緒に食べるとなんとも不思議な
美味しさです。先日行ったお店にもありましたが、スパイスを使用したデザートは最近の傾向でもあるそうです。
しっかりと食事を満喫し、帰りにフィリップ・ドラクルセールシェフにご挨拶に行ってきました。
相変わらずの優しい笑顔でキッチンから出てきてくれました。連日この忙しさが続いているそうです。
ビストロ・ダ・アンジュの話、ワインの話、今回の訪仏の予定の話などをしていると「東京のお店はもう行った?」とシェフからの質問。
そうです、ご存知の方もいらっしゃるかもしれないですが、2007年に東京に「ル・プレヴェール東京」をオープンされました。
残念ながら私はまだ東京のお店は行ったことがないのですが人気の様子。また必ず行かせていただきます。
でも今回はパリまで来てシェフにお会いすることが出来て良かった。
「また大阪にも寄ってくださいね」とお願いしながら店を出ました。もうオーダーストップの時間にもかかわらず、テラス席まで満席。本当に忙しそうですが、お体はお大事に・・・。