旅人の醤油話 ~第5回

皆さん、こんにちは。
先日、お客様より、
『下のお名前、「努さん」とおっしゃるんですね。私、「オオツチ キョウさん」だとばかり思っていましたわ。オホホホ…』
 と言われ、「んな、まさか」と思いながらもついついフルネームを書いてしまいたくなる醤油な旅人・大土橋 努(オオツチハシ・ツトム)です。

前回からだいぶ間が空いてしまいました。すみません。m( _ _ )m

今回ですが・・・せっかくですので前回にちょろっと紹介しました『山椒醤油』を改めて紹介させていただこうと思います。

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こちらの山椒醤油は奈良県・桜井の『大門醤油』で大門奈良子さん、真生さん親子を中心に造られていますが、珍しい事にこのお醤油の原料は全て無農薬で作られているんです。

当店も多くのお醤油を扱わせてもらっていますが、有機はあれど無農薬のお醤油はなかなかお目にかかれません。
材料の関係で夏にしか作られず、今年の分は既に完売しております。当店でも人気の高いお醤油の一つですね。

普段、お店ではマグロや鴨に使っていますが、清々しい山椒の香りが赤身やお肉のくせを消してくれ、苦手な方にも美味しく召し上がれる優れものです。
私は、今年捕れた秋刀魚を焼いているところの仕上げに『たらり・・・ジュワッ』としてみました。
その時の立ち上る香りの素晴らしい事と言ったら・・・\(^^)/
ついつい写真を撮るのを忘れて完食してしまいました。ゴメンナサイ。
 (あ、頭と尻尾の写真でよかったら・・・)

 
この大門醤油さん。
けっこう小さなお醤油屋さんですが、常に新しい事への挑戦を続ける、とてもパワーのある方々です。
素材にも大変なこだわりを持っていて、滋賀県の農家さんにわざわざお願いして完全無農薬の大豆・小麦を作ってしまうくらいなんです
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今現在、地元の自然農法(土に手を加えず、農薬も使用しない、極力自然に近い形で野菜を作る農法)の農家の方と協力して地元の素材を使った、より安心できるお醤油を。と、日々奮闘されています。
  
その甲斐あってか、その山椒醤油のベースになる『本醸造醤油』(もちろん、こちらも無農薬)がまた美味しいのです。
このお醤油の特徴としては、味わいが全体的に穏やかです。お醤油辛さが控えめで優しいと言ったらいいのでしょうか。こちらに比べると他のお醤油はややキツイ感じがします。
しかし、味はしっかりしております。だからこそ刺激のある実山椒を漬けてもバランスが保たれ、互いの活きた製品になるのではないか。と思います。
もし、全体的に主張の多いお醤油でしたら山椒も活きなかったかもしれませんね。

私も先日伺った際に、ちょうど来られた農家の方から無農薬栽培の穂紫蘇(紫蘇のつぼみ)を頂戴しまして、お店に帰ってから大門醤油さんで購入した濃口醤油に漬け込んでみました。
お醤油に何かを漬ける際、もしそれが水分の多いものでしたら水分を抜かないとお醤油が傷みやすくなる(塩分濃度が薄まるため)ので、今回は穂紫蘇をオーブンでパリッパリに乾燥させてから入れてみたのですが、なんと・・・入れる際に中で木っ端微塵になりまして、注ぐときに大変注意しなければならないお醤油になってしまいました(><)
 (粉末超混入、除去不可)
 
これを大門さんにお伝えした結果、『私らも同じようにするところでした(汗)』とのことで、協議の結果塩漬けにして水分を抜いた後にご家庭でも良く使われる『出汁パック』に入れてみます。と。

新商品誕生の予感がします。


 
今回作った『穂紫蘇醤油(仮)』ですが、非常に香りが良く、特にマグロとの相性が抜群です。
正直、最初は試しに作るだけでお店で使う気はなかったのですが、あまりにいい出来でしたのでついつい f(^_^)
出来ればこの『穂紫蘇醤油(仮)』ですが、次は和風のものだけではなく、洋風の料理に使えないか考えてみます。

こうしてみると同じお醤油でも色々漬け込んでみたら、雰囲気も変わりおもしろいです。
もしかするとタイムやローズマリーを漬けると洋の。八角等を使うと中華のテイストのあるお醤油が出来るかも・・・こうなると、お料理への幅も広がりそうですね。
 
そう言えば、大門さんが言っておられました。
『体に入るものだからこそ、安心・安全でなければならない。』

ただ、一言に無農薬栽培と言ってもとても大変なはずです。
その虫の付き方たるや、半端じゃないと聞いております。
とあるフランスのワイン農家では、ブドウを無農薬栽培に切り替えてから収穫量が30%減少したくらい)

しかし、『うちの商品を買ってくれるお客様のためにも…』と。

頭が下がります。

うちで扱っているお醤油のほとんどが、地方の決して大きくないお醤油屋さんのものばかりです。
大切に、大切に使わせていただきたいと思います。

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 ・・・さて、お腹もすきましたし、今日はそろそろこの辺で失礼しようかな。

 思えば今年ももう残りが約半月ですね。

 皆様にとって、今年はどのような一年になったでしょうか?

 私にとっては、正直全く予期せぬ『お醤油』との出会いの年になりました。

 また、『お醤油』を通じて、多くの多くの出会いに恵まれた年となりました。

 来年も引き続き、多くの、新たな出会いがあることを願っています。

 なんだか、今年の締めくくりのような言葉になってしまいましたね。
 
 今年は日本国内でも色々な事が起きましたが、もう少し残っている2011年。皆様の記憶に残るような良い年末になるように祈っております。

 来年こそは京都、四国、大分等々、新たなお醤油情報をお伝えできるように。
 また、それらをお店に来られた方々に存分に伝え、楽しんでいただけるように頑張ります。
 
 今日も長々とお付き合い、ありがとうございました。
 
 どうか、楽しいクリスマスと楽しい年末、お正月を (^^)/

                            FLUTE FLUTE
                              醤油の旅人
                              大土橋 努
                            (おおつちはし つとむ)
                          TSUTOMU OTSUCHIHASHI
                               (字が多い…)


ん?

ワタシのクリスマスの予定ですか?

そりゃもう、引っ張りだこですよ・・・・・・仕事に(TT)b

皆さん、どうかワタシの分まで~~~