垣本チーフ応援奮闘記 その5

~チーフ応援奮闘記 その5~

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さてさて、無事にシラ会場からリヨンを一人歩きしてきた まっつんと合流し、夜は居酒屋ブションにてリヨンの郷土料理を満喫だぁ♪ということで、繰り出したのはベルクール広場近くのマロニエ通り。
ブションが立ち並び、有名店には早くも行列が出来ております。

角地にある Le Caveau という大きくてお洒落なお店で、私達は前夜祭を開催することに決めました。
なかむ~が上司よりロゼワインを飲むようにと指令を頂いております。
忠実に守りつつ、慎重にメニューも選びます。

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サラダ・ド・リヨネーズは何度食べた事でしょう。。。
お店によって趣向もさまざまです。


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郷土料理といえば
クネル!!
ここはグラタン風クネル。

サービスのスタッフの方も、退屈しないように色々話しかけてくださり、料理も地元の食材をふんだんに使ったシンプルなものが多く、高級レストランやビストロとは違った、普段の生活を垣間見ることができ、とても良い体験をしました。

ホテルにもどり、明日はとうとうチーフ出場の日。。。
早起きしないといけないから、出発準備を済ませて早々にベッドにもぐりこむ。
…………眠れない。
全然眠れない!自分が出場するわけじゃないのに、なぜか緊張するぅぅ!!
結局4時半ころまでうなり続け、6時前に起きました。

さぁ!眠いけど忘れ物なし!!準備は万端!!コーヒーでも飲もうか♪

…と思っていたら、ゆっくり私の部屋のドアがあく。
おや?かずこ。おはよぉ♪
はやいね。一緒に飲む?

私の問いに、顔面蒼白のかずこが無言で答えます。
顔面蒼白?…そうなんです!事件勃発なんです!!!
あんな楽しい宴の中、ただ一人、一晩かけて壮絶な恐怖体験をした人がここに…

「どうやら私、あたったみたいです。。。」
搾り出されるかずこの悲痛のささやき。
マジでっ?!!!!!!
何に?
フォア・ド・ボーか?卵か?野菜か?ショコラムースか?


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…まっつんか?








冗談はさておき、かずこは動けないくらいのひどい食あたりにあい、絶対行くと言い張るかずこのチーフ応援は、動けるまで見送らせる判断をしました。
泣きながら「昼から行きます」と告げる、かずこの無念を晴らすべく、私達は命をかけてかずこの分もチーフの応援をすることを誓ったのでした。

チーフは朝から氷を彫っているので、朝一番に会場入りしなければなりません。
8時には飛び込み、昨日の経路をダッシュで攻略し、チーフの姿を探します。

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…いた~!!
ちょうど彫り始めるところ!!
カメラに捉えられています。
早くも世界から大注目です。





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一回「ちぃふぅ~!!!」と旗を振りながら大声で叫んでみました。

おぉ。聞こえてる。
ちゃんと、手を振って返事を返してくれました。
けっこう、余裕…♪


練習より高いところに氷があるためとっても彫りづらそう…
しかしながら
世界の大舞台で堂々と作品を創りだすチーフは本当にカッコいいと思いました。
そんなとき、なんとフランスのテレビ局の方が私にインタビューさせてくれと近寄って来たではないですかっ!!

チーフのおかげで、私は晴れてフランスメディアデビューとあいなりました☆

リポーター 「彼は日本で有名ですか?」

ゆきこ   「もちろん!!一番有名です!…大阪で!」    ← 嘘はつけない。。。

リポーター 「大阪から来たのですね。あなたは何故応援にきたのですか?」

ゆきこ   「彼は大切な友達であり、私のパートナーです。一緒に働いている仲間達と来ました。」      ← よくこの文章すぐ浮かんだな…と自分で感心。

リポーター 「あなたにとってここに来る事は重要な事ですか」

ゆきこ   「…私が?…重要?」    ← 急に難しいこと聞くね。

リポーター 「そうです。あなたにとって。」

ゆきこ   「もちろん。私達は長い間一緒にパティスリーで働き、彼の事をよく知っています。私は今日彼が勝利を勝ち取ることを信じています。そんな彼を応援しに来たのです。」
      ←英語やっててよかった~

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そんなこんなで旗も大きく映してもらい、チーフがお世話になっていた大阪の製菓学校リヨン校の先生達にも囲まれながら、無事フランスにALCYON の文字を配信いたしました。





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ある程度彫りあがったら、今度は展示室へ移動して最後の仕上げをします。
近くで見れるという事で、私達も大移動~!!

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← 彫刻が運ばれてくるところ。
ココで壊したら一巻の終わりです







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見えにくいかとは思いますが最後の右手の部分とか剣の接合などを 冷凍庫の中で行っています。→









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← 完成!!
チーフの作品の周りには本当にたくさんの方が集まっていました。お世辞ぬきで。
海外のメディアの方達もカメラを向けていましたよ。
私も、このときチーフの作品が一番繊細で綺麗だと思いました。




                     
グラスアントルメを仕上げる為か、仲間の作業を手伝う為か、チーフは颯爽と中のブースへと戻って行きました。



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所狭しと選手3人が作業を進めます。

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言ってる間にチーフのグラスアントルメ登場の時間です。
私達の応援旗もビッグビジョンを独占します!


おぉ~!!私達も初めて見るチーフの作品。すごい~ あんなんやったんや~☆
食べたいぃぃ!!!

…この願いは帰国してからチーフに頼んだけど、結局叶わず。
しかしながら、アイスは無理やけどケーキならいけるっ!ってことで、19日よりクープドモンド出品作品として販売を開始しております。
皆さま、是非「世界でただひとつの味」をアルションにてご堪能ください。

昼過ぎには、食あたりと死闘を交わしたかずこもなんとか復活して、会場入り。
水さえも飲めず、脱水症状と闘いながら彼女は命がけで午後からの応援を頑張りました。


19時。発表の瞬間。3位から順に称えられます。
しかし最後の優勝まで「JAPON」の声は聞けませんでした。
長い長い闘いの末、日本は4位。

鍋田選手のピエスも中山選手の飴細工も、日本らしく繊細で本当に美しい。。。
大きなトラブルもなく、日本代表選手は本当に素晴らしい作品を創りあげてくれました。
そしてチーフは氷彫刻で世界1位という偉業を成し遂げました。
パティシエ達の熱き想いをこの1年間目の前で見させて頂いて、本当に本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

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3人が書いた意気込みをずっと後ろから見ながら、心から感動した長いようであっという間の10時間でした。

そういえば結果発表前に、選手達が一度応援ブースの前まで来てくれました。

でも彼らはアイドルのように大人気で写真を撮られまくって、囲まれてるんです!

突然の光景に驚いて遠巻きに見てたんですけど、やっぱり一言声をかけたくて、なんとか人ごみを通り抜け、チーフの所までたどり着きました。
普段なら上のアトリエにいて、すぐにいろんな話ができるのに~ 
なんだか急に遠い存在になっちゃって…なんて思いながら。

そういえば、出発前に「楽しんでくるわ」と言ってフランスへ飛び立ったので、私は「楽しかった?」って聞いてみました。
「しんどかったわ~」と答える普段どおりのその声は、やっぱり楽しそうだったのですごく安心しました。
そしてまたすぐに人ごみの中へと、アイドルのように囲まれるチーフを見守る私達なのでありました。

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(左から チーフ 中山選手 鍋田選手)

大会のあとには、各国の作品を展示しているブースに入る事ができ、ゆっくりと世界の作品を間近で見ることが出来ました。
まっつんとかずこの、今後の作品にも良いヒントが得られればいいなと思います。
選手や関係者の方々はこの後パーティーがあるらしく、ブースの中で歓談されています。
もちろん、うちのチーフも。
いいなぁ~なんて思いながら、私達は会場をあとにしました。

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そういえば…帰り道、結局1日何も食べなかった事に気づきます。

そして帰ってもなにもない。

弱っているかずことまっつんはタクシーで帰らせ、私となかむ~は買出しに行きました。
その途中、立ちっぱなしで疲れていたのでしょうか。。。ゆきこは右足を綺麗に捻挫して歩けなくなり、帰り道上の目に付いたものを買って帰るという、なんとも申し訳ない晩御飯となりました(実は未だ痛みを伴っております)。

とにかくとにかく楽しくてドキドキして悔しくてホッとした…長い長い一日でした。
かずこに至っては、昨晩からずっと闘い続けていたので想像を絶する長さであったに違いありません。
気持ちを切り替えて翌日はパリに研修の予定です。TGVは早朝6時発。
かずこの胃は…? ゆきこの右足首は…? なかむ~はこんな3人の面倒をみれるか…?
まっつんは、本当にパリで捨てられるのか…?

とにかく身体を休めるべく、ベッドにもぐりこむ私達。
チーフにいつもどおり「お疲れ」と言いながら眠りにつきました。